まず「前進センサーってなに?」という人に前進センサーについて説明します。
「センサーはどうでもいいだろ索敵弾はどうした」という人にはちょっと待ちを。
端的に言ってしまうと「ラインを押した状態で前線のすぐ後ろに貼るセンサー」のことです。主に広域を使います。
なんでそんな前方に置くの、センサーは凸捉えてなんぼでしょ、という疑問もあるかと思いますが、まずこの前進センサー、使うのは
・第2プラにカタパルトがなく、
・敵が中盤に出られるルートが限られていて、
・広域の範囲にプラントと敵の前線行動が収まってしまう、
そういうマップでのみ使う戦法です。ベルスクDのEUSTとかD51AのEUSTとか。
ラインを前進させ、敵の動きを狭い範囲に押し込んだら、広域を置く。
そうすることで、
・敵がリスポン直後からミニマップに映る
・どこに向かおうとしているか、どこで待ち伏せしているか
・どこのプラントを奪回しようとしているかが丸見え
になります。
こうなるとマウントポジションをとっているようなもので、相手の逆襲は全部見えてるので簡単にいなすことができますし、榴弾は全部敵のいるところに落ち、センサー範囲内では奇襲されないので火力差と装甲差がそのまま出ます。結果としてキルデス優位が固定化されるのです。
これが強力。一旦プラントを取って置いてしまえばそうそう負けません。
まあ味方があんまり戦闘向きでない編成だったり凸にこだわられるとまれにひっくり返ることもありますが‥
■滞空索敵弾の特性
さて滞空索敵弾に話を戻しまして。滞空索敵弾の長所と弱みを改めて見てみましょう
滞空索敵弾は偵察機より持続時間があり、センサーと違いリスポンしたら即座に好きな場所に設置でき、自機は照らした位置と別個に自由に行動できます。
横軸を時間、縦軸を距離にとった下の図を診てもらうとわかりますが、時間積のトータルの能力では特に他の偵察手段に劣っているわけではありません。
■滞空索敵弾の弱み
なのになぜ使いづらいとみなされているか。それには具体的に以下のような弱みがあるからです。
・追尾時間が5秒しかない(偵察機10秒、センサー5秒、レーダーユニット7秒)
・壊されるし時間で消える
・索敵開始までに1,2秒かかる
まず追尾時間の5秒は明らかに短いものです。
確かに「どこにでも撃てるセンサー」と考えるとバランス的には5秒は妥当ですが、「どこにでも撃てる偵察機」と考えると5秒のビハインドは辛いものがあります。
そして壊されます。安直な位置に撃つと割と目立ちますし、敵のポイント稼ぎで壊されてしまうこともあります。これでも破壊可能な設置物としてはヤクシャ2機分くらいの硬さなんですが。
そして時間で消えてしまう件。慣れてくるとかなりきっちり再配置のコントロールできますが、消えてから撃つだけでも空白が生まれやすく、二箇所に撃たなければいけないようなマップではどうしても隙が大きくなります。
■代用品としての滞空索敵弾
このような特性と弱点があるため、他の索敵手段の代用をさせるとこのようなトレードオフが発生します。ただし、これらは状況に応じて「どちらの役割もこなせる」ということでもあります。
【偵察機の代用をさせる場合】
◯カバー時間、投射距離
×耐久性、カバー面積
【センサーの代用をさせる場合】
◯設置速度、設置距離
×カバー時間、被発見性
※VセンサーはAモードBモードそれぞれよりセンサー、ロビンに寄った性能ですので索敵弾とはまた異なった使用感覚があります。
■滞空索敵弾にしかできないこと
ではこんどは滞空索敵弾にしかできないことが何があるか考えてみましょう。
・敵陣奥深くが偵察できる
・前線にいながら後方の索敵ができる
・屋根の上に置ける
・上下に広い地点でも定点監視ができる
索敵弾にしかできないこと、それは即座に敵陣の奥深くまで偵察し、しかもそこを偵察し続けることです。300m先を一瞬偵察できる装備はいくつかありますが、そこから湧いてくる敵を照らし続けることができるのは実質的に索敵弾だけです。
また中盤で戦いながらベース前を照らすのも、ベース前にいながら第2プラに警戒線を張るのも索敵弾にしかできません。
また、機体が入り込めず投げ上げることもできない屋根の上にセンサーを配置し、円筒形の索敵範囲で漏れ無く上下に見張ることができるのも索敵弾だけです。
こうして見ていくと索敵弾は他の索敵手段を代行できる能力と弱点を併せ持ちながら、オンリーワンの特徴も持った独自のカテゴリであることを分かっていただけたと思います。
索敵弾は「他の索敵手段を一時的に代替することもできるが、索敵弾にしかできないことがある」兵装だということです。
■それで…結局索敵弾は強いのか?
本題になりますが、ここで前置きの「前進センサー」の話を思い出してください。
これは前線の敵の行動を照らし続けることにより敵の攻撃的行動を封じていわばマウントポジションをとりつづけることで勝利する強力な方法のことでした。
実は索敵弾でも同じことができます。
一つには前線の真上に打ち上げて、前進センサーと同じ役割をさせるもの。
もう一つ索敵弾にしか出来ない、より強力なやり方としてあるのが、
「敵のリスポン位置・カタパルト軌道を照らしておき、敵が前線に到着する前に索敵コンテナ『◇』をつけ、やってきた端から中盤でボコる」
というものです。
要するに「敵を発見して、叩く」ゲームを「発見済みの敵を一方的にボコる」ゲームに変えてしまえるのです。これが私の知る限り一番強い索敵弾の運用方法になります。
ただし索敵弾のこの使い方、リスポン照らしは、強いケース、弱いケースがはっきり別れます。
ざっくりと図で解説しますと以下のようになります。
A)リスポン照らしが強いケース
1)プラントが概ねまっすぐに配置されているマップ
2)味方に死んだり降りたりしないセン支がいる
3)味方に中盤で敵を叩く意識が強く、キルデスマッチになりやすい
B)リスポン照らしが弱いケース
1)プラントが互い違いに配置されているマップ
2)味方にセン支がいない、または勝手に降りられる
3)味方に迂回凸の意識が強く、キルデスマッチにならない
つまり、「リスポンポイントから出てくる敵を一方的に狩り続けるキルゾーンを形成でき、漏れた敵も再度センサーで捉えて始末できる」マップとメンツであれば強い、ということになります。いわば「中盤キルデス」局面を作れるマッチならば強い、というものです。
2)についてですが、センサーがいない、セン支に降りられるというのは、実は索敵弾ユーザーにとっては単に後ろの警戒線が無くなるという以上に深刻な状況です。
というのも、「警戒線を作る役目を索敵弾ユーザーがすぐさま代行しなければならない」からです。索敵弾のローテも中断し、即防衛的な立ち回りに切り替えないといけなくなるのです。これにより今まであったキルデス形成の強みも全部捨てることになります。
もしセン支でこれをお読みの方がいましたら、「索敵弾でライン押してるからセン支降りちゃおっと」されるとチーム全体の利点を全部捨てることになるというのを覚えておいてください。
3)も実はたまに困ったことになりまして、敵が中盤照らせていないためこちらが偵察勝ちでキルデス余裕だろうと思っていると、味方が突撃で死骸を積み上げて勝手にゲージが負けていくことがあります。そういう状況になったら思考切り替えてください。具体的には諦めて再起専念。
また、このリスポン照らしをする場合、「索敵延長Ⅱ」チップは割と必須です。なければ延長Ⅰでもいいですが、索敵弾の探知範囲を外れてから味方が捕捉するまでの猶予が5秒から10秒になるのは倍以上の価値があります。というか5秒では不足です。積みましょう。
■質疑応答
Q:索敵弾は壊されるから駄目では?
A:実際に索敵弾を使い込んで見ればわかりますが、壊されにくい場所に打ち上げておけばほとんど壊されません。壊されるから駄目という人はまず間違いなく、ろくに索敵弾を使っていません。
マップにもよりますが、高い柱や壁、なにより敵のリスポンの頭上に置いておけば壊されるのは30個に1個というところです。一方何も考えずに敵と自分の間の窪地上空に打ち上げたりすると、3個に1個は壊されるぐらいの頻度になります。
ただ特殊なケースとしましては、実は索敵弾をひたすら目の敵にするプレイヤーがいます。
そういう人と一緒になりますと敵マッチでは砂に乗り換えてまで破壊、味方マッチではひたすらこちらの後頭部へ射撃、とろくに仕事ができませんので、そういう時は素直に部屋を変えましょう。
Q:時々敵のベース前とかに索敵弾上がっていることがあるけど、何故?
A:凸屋やベース前踏む人に情報を与えるためです。
防衛の情報、例えばセンサー位置や、エリア移動で戻ってきた防衛の有無、カタパルトに乗ったかどうかなど、防衛支援の位置さえわかればブラスターガン叩き込んでなんとかしてしまう最低の人間腕のよい凸屋がいた場合、凸が通れば勝つマッチと判断してより前方に索敵弾を打ち込む場合があります。
Q:必須なチップやアセンは?
A:リスポン照らしをするなら索敵継続延長は必須。あと補助補充もあったほうが良いです。
また、ある程度死なずに長生きする前提でアセンにしないと索敵弾の長い滞空時間が意味ありません。2発索敵弾打って2人修復して1分ごとに死ぬ、だと偵察支援やってた方がマシです(※偵察支援はXで削除されます)。
ただ、ゲージリードした残り100秒から防衛だけしたい、とか、スポットで1分だけセンサーの代わりに出したい、というような場合であれば、単に広域滞空索敵弾積んでおくだけでOKでしょう。
Q:発射して即座に索敵弾が消えたんだけど!
A:索敵弾は、指定した発射地点にある一番高い位置にあるオブジェクトの上空数十mに出現して少しづつ高度を下げていき時間がくると消えますが、ごく稀に、出現した際にだけ、周囲に壁などのめり込むオブジェクトが存在すると、配置された瞬間に消えることがあります。
あんまり見る現象ではありませんが、バレリオやネソスなど板壁の上に配置しがちなマップでは留意した方がいいかもしれません。
Q:滞空索敵弾って設置物回収で回収できる?
A:試したことありますがいまのところ成功していません。